病院長から企業の若手社員まで立場・職種を越えて人材が集う
ちば医経塾の魅力 井上貴裕塾長に聞く PR
第9期の塾生募集を開始したちば医経塾。実践的な講義内容と、地域の中核医療機関のトップから医療関連企業の若手まで、さまざまな職種・立場の人たちが全国から集うことで知られている。医療機関経営人材を惹きつけてやまない魅力は何か。塾長を務める井上貴裕・千葉大学医学部附属病院副院長に聞いた。
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2026年度診療報酬改定ほど、厚生労働省からのメッセージ性が強い改定はなかったのではないでしょうか。機能分化や手術機能の集約をより明確に打ち出した内容だと私は受け止めています。救急搬送件数や全身麻酔件数といった実績がはっきりと基準化され、解釈の余地が小さくなっています。
これまでのように制度解釈で対応できる余地は縮小し、自院の立ち位置を客観的に見直し、将来像を決めなければならない局面に入りました。例えば「急性期拠点機能」を自認していた病院でも、基準に届かなければ、地域包括医療病棟などへの移行を含め、地域の包括的な医療を担うという機能転換を検討する必要があるかもしれません。こうした環境変化の中で、病院経営には迅速に方向性を決め、組織を前に進める人材が不可欠になっています。
しかし実際には、病院組織では意思決定が進まず、必要性を理解していても二の足を踏むケースが少なくありません。それでなくとも、病院は職種ごとの縦割りが強く、横断的に議論し、全体を前に進める役割を担う人材が圧倒的に不足しています。医局、看護部門、事務部門それぞれが何を考えているのか、本音で議論する機会も多くありません。だからこそ、経営を理解し、組織を横断して動かせる人材の育成が重要になるのです。
ちば医経塾では、医師だけでなく、事務職、看護職、医療専門職、企業関係者、病院長や幹部層から若手職員までと、職種も立場も異なる人たちが、同じ「塾生」として同じテーブルを囲み、各病院が抱える現実の課題を持ち寄って議論します。また全国各地から参加者が集まるため、地域特性の違いや病院機能の違いも自然と議題に上ります。
座学で知識を得るだけではなく、各施設のデータを実際に持ち寄り、自院の状況を説明し、他施設と比較しながら議論する演習を重視しています。発表の準備過程から、自院の現状を数字で説明する力が鍛えられますし、他施設との比較を通じて、自院の立ち位置や強み、課題を客観的に理解できるようになります。参加者同士が率直に質問し合うことで、自らの思い込みに気づき、新たな視点が得られる場面も多く見られます。
院内会議では、どうしても「当院は当院。他とは事情が違う」という議論になりがちですが、納得感のある比較対象を示すことで、医療職の理解も得やすくなります。医師をはじめ、医療職は相対的な位置付けを示されることで課題を自分事として受け止めやすい面があります。そうしたデータの見方や、現場への落とし込み方を、演習と議論を通じて体得していく点も特色でしょう。実際に修了生からは、院内での説明や合意形成が進めやすくなったという声も聞かれます。
また、上下関係のない環境で率直に議論できることも大きな強みです。異なる地域、異なる規模、異なる経営主体の病院が抱える悩みを共有することで、「自分たちだけが苦しいのではない」と理解でき、視野も広がります。修了生からは、自信がついた、院内で発言できるようになったという声も多く聞かれます。
病院によっては毎年職員を派遣し、院内に修了生ネットワークを形成している施設もあります。共通言語を持つ人材が増えることで、院内改革が進みやすくなるという効果が生まれているのです。所属する病院は違っても、修了生同士が情報交換を続け、困った時に相談できる関係が築かれている点も、この場の大きな価値だと思います。
修了後も学びを継続できる仕組みとして、修了生を中心としたアドバンストコースを設けています。形式的な同窓会というより、継続して学び、議論する実践的な場です。ちば医経塾や他大学の同種プログラムの修了生が参加し、オンラインを中心に定期的な勉強会を行っています。参加者には病院長や経営幹部となった方も多く、立場を越えて本音で議論できる環境が保たれています。
最新の制度改正への対応や各施設での実践事例なども共有され、修了後も実務に直結する学びが続きます。修了して終わりではなく、その後も経営課題を持ち寄り、共に考え続けられる場があることは、受講生にとって大きな魅力だと思います。
私が考える病院経営とは、単に収益を追うことではありません。本来的には一般企業でも同様でしょうけれど、診療報酬の財源は保険料と税金が大半であり、社会から預かった資源をどう地域に還元するかについて、医療機関は厳しく問われます。
経営人材の役割の一つとして、医療の質と経済性、安全性、社会への貢献のバランスを取ることがあります。お金の話だけでは職員はついてきません。一方で、経済性を無視すれば次の投資もできず、医療の継続が揺らぎます。医療の質や安全を守りながら持続可能な経営を実現するためには、現場と経営をつなぐ人材の存在が欠かせません。
診療報酬改定によって病院の選択肢が絞られていく中、地域で生き残るためには、経営を理解し、さまざまな職種と議論しながら組織を動かせる人材の存在がますます重要になります。
塾生は北海道や沖縄から、毎年30人ほどが集まります。経営のかじ取りに必要な知識はもとより、人を動かす際のマネジメントに必要なさまざまな知恵を得ていただきたい。全国の医療経営人材とのネットワークも構築できると思います。ぜひ積極的に参加していただければと思います。
▼「ちば医経塾」の詳細はこちら▼
https://www.ho.chiba-u.ac.jp/ikeijuku/index.html
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